推しメンワンダーランド

#好きでよかった

初夏にして君を想う

緊急事態宣言が解除され数日が過ぎ、フィクションのような生活から徐々に日常を取り戻しつつあるこの頃。「新たな生活様式」というやつにライフスタイルを移行するのであれば、決してきれいに「元通り」とはいかないんだなと苦い気持ちになる。


楽しみにしていたイベントの中止が次々と決まり、春があっという間に過ぎ去った。春の現場で着たいと思って新調したコートもほとんど袖を通さないままクローゼットの奥で眠っている。

自粛は仕方がないこととはいえ、準備されていた様々なものが陽の目を浴びないまま夏に向かっていることに言いようのない悲しさを覚えてしまう。なにわ男子の「Shall We AOHARU?」公演も例に漏れず開催中止となり落胆が隠しきれなかった。ファンはもちろんのこと、準備してきた本人たちが一番悔しい想いなのは間違いない。

アイランドTVで企画を考えてくれたりリモートでの供給はあるものの、これからはどうなる?と、先の見えない状況に不安を募らせる今。「僕たちが太陽のように照らせる存在になりたい」と笑顔を向けてくれる大橋くんを見て、やっぱりこのひとを好きになってよかった、と実感したのだった。

 


新型ウイルスの感染拡大防止に努め、本来現場やらなにやらで土日はほとんど家をあけていた身でもこのような状況で家にいる時間が圧倒的に増え、時間を持て余して久々にブログの存在を思い出した。
ライブやコンサートの再開時期が分からない今、いちオタクとしてできることは過去を振り返ってみること。まず思い出したのは、去年の今頃のことだった。今になって携帯のメモ帳から発掘したので、1年経って継いで接いでをしてみる。自粛期間中にダラダラ書いていたら時が過ぎて出すタイミングを失いつつあったのだけど供養ということで記録まで。

 

 

* * *

 

先のエントリ通り、あすかなから丈橋にハマった私。楽しそうに盛り上がる沼を興味本位で覗き見たら、すっかりそこから出られなくなっていた。

デビュー組はKAT-TUNのオタクとして(ちなみに亀担なので和也と和也を推すというミラクルな展開になっていた)生きてきた自分がこの歳になってJr.にハマるとは……。

 

 

4月。

 

有休を取ったとある平日の昼、十ウン年ぶりに原宿のジャニーズショップにいた。

あすかなから丈橋を好きになって純粋に「こんなに毎日幸せを貰っているのだから何かしらの形でお礼をしたい」という欲求が湧いたのがすべてのきっかけ。お礼=お金を落とすことへと導き出すのがオタクの性、ということで。

久しぶりのジャニショにビビり散らかしながら関ジュのコーナーに突き進み(よく分からんからとりあえず大橋くんと丈くんが写ってるやつ…)とおそるおそる記入していく。この頃は正直関ジュみんなの顔と名前もあんまり知らない頃だったので混合探すの大変だったな…。

微力ながらふたりに初めてお布施をできた日だった。


あとこの頃二人ともめちゃくちゃに忙しかったはずなのに毎日のようにあすかな配信があったなぁと。当時駆け出しコンテンツだったとはいえ、思い返すとすごいや……。

 

 

5月。

 

数年間舞台オタクをやっているにも関わらず普通の双眼鏡しか持っていないことに突然疑問を抱き、「リューン」を拝めるのなら…と双眼鏡を新調。

どうせ見るなら鮮明に、解像度の高い二人を目に焼き付けたい。「初めて生で拝むふたり」にもっとあざやかな意味をもたせたかったという願掛けのようなものもあった。特別な日を迎える準備でもあるし、何より記念に、思い出に、残したかったんだと思う。完全に勢いである。新規ハイ、楽しいけど全然冷静になれなくてこわい。


そして5月末はSnowManTravis Japan、なにわ男子3組によるたまアリ合同コンがあった。既になつかしい……。元々別の用事があったこともあり参加できなかったけど、現地で観たかったなぁ。アイランドTV動画の怒涛の更新と情報量に打ち震えた記憶が今も残っている。

 

 

6月。

 

ミュージカル「リューン ~風の魔法と滅びの剣~」再演の幕が開いた。

プレビュー公演の日、当日券チャレンジも撃沈しチケットは持っていなかったけれどいてもたってもいられず勢いで相模大野に降り立つ。初めて行ったよ相模大野……。もし現地でチケットのご縁があればと一縷の望みにかけるも叶わず、まぁそうだよな~とパンフレットを買って帰ることに。開演中に物販を開放することもあり、ロビーにまで漏れる歌声になんだかこっちが緊張してしまった。大いに期待を寄せながら劇場を後にして近くのドトールに吸い込まれ、コーヒーを飲みながらパンフを眺めて盛大にファンルンのネタバレを踏んだのもいい思い出……。(初心者丸出しで話の内容を全然知らなかった)


そして迎えたリューン東京公演 in 日本青年館ホール。いよいよ丈橋の二人を生で拝める日。浮き足立つ気持ちで会場内に入り、周りの女子たちがそうしていたように大きな幕の写真を撮った。

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来たんだなぁ、とようやく実感が湧く。


もともと2.5次元舞台のオタクだったので通い慣れた会場ではあったけど客層が変われば場内の空気感も変わる。そんな「いつもと違う初めての感じ」にもワクワクしていた。

トイレ前では大阪から来たであろう子達が終演時間と夜行バスの時間を関西弁で話している。平日であったが、このために弾丸で東京に来たのだろうと推測できた。それぞれが公演を待ちわびる緊張感や静かな熱気が感じられる、開演前のこの空間がとても好きだ。

 

幕が開くと、神秘的に照らされたリューン・ダイとリューン ・フローの姿が浮かび上がり、一気に物語の世界に引き込まれる。

ルトフの里の平和な景色、二人の生い立ち、晴天の霹靂のような事件、運命に翻弄されていく里の面々と二人のリューン。御伽噺のような世界観に引き込まれながら物語は進んでいく。

序盤で特に心に残っているのが1幕最後の「風の舟」だった。自分が二階席最前センターに座っていたこともあり、フローの視線がまっすぐにのびてきて強さをたたえたその瞳がとても綺麗で忘れられない。


幕間、ぼーっと呆けてしまっていた。いつもなら舞台の合間にトイレ行き、待機列で記憶をひっかき集めるように感想ツイートを連投して2幕も楽しみー!と、意気揚々席に戻るところなのに。普段の自分からは程遠かったのを今でも覚えている。ただ座って観ていただけなのに、ものすごいエネルギーを使った気になって脳がちっっっとも働かなかった。感想のひとつも残すことができなかった。なんだこれ??感情の整理をするのに休憩時間は短すぎる。

 

リューンの物語は「海外の分厚い児童書」という例えを目にしたことがあるけど、まさにそれで。ファンタジックで、ビジュアルはもちろん心の機微まで表現が美しくて、でも時に残酷な。あと楽曲がキャッチーでめちゃくちゃに良いのよね……。ミュージカルとしての真骨頂。

 

物語に引き込まれていたのもあるけど、それを演じる二人のシンメとしての関係性も大事なフィルターになっている気がした。ふたつの魂がパラレルワールドを行き来しているような不思議な感覚を味わったというか。

二人のことはまだまだ知らないことがたくさんだけれど、ミュージカルのお仕事をこれからもっとやって欲しいなと物凄く思ったし、今もその想いは変わらない。ふたりが演じる「違う自分」が、とても好きなのである。


あすかなから知ったふたりの、また別の世界の物語。運命に翻弄されながら進む二人のリューンの道が合わさり、新たな未来へと歩みだして劇は終わりへと向かっていく。


「リューン・ダイ」から「大橋和也」に戻る瞬間。当たり前だけど、劇中とはまったく違う空気をまとった「いつもの大橋くん」がそこにいて。カーテンコールで挨拶をするもことばの言い間違えなどで周りを笑顔にしてしまう大橋くんと、ニヤニヤしながらツッコミを入れる丈くんをはじめとする演者さんたちの掛け合いにまた笑って、幕が下りる。最後の最後まで温かい空気に包まれた舞台だった。

 

チケ取りや場所などの要素を取っ払って1公演だけ、過去に戻って当時のまま劇場で好きな作品を生で観られるとしたら何の公演を観る?という趣旨のツイートを少し前に見かけたことがあるけど(うろ覚えなので出典なしで失礼)、わたしは間違いなくリューン初演の空間に行きたい。

「3列目の逆襲」と自分たちを称し、初演での苦悩やプレッシャーの重みと闘いながら、まだなにわ男子が結成される前の二人が支え合っている姿を、私は過去のアーカイブとしてしか知らない。ふたりの存在すらも知らなかった頃にも、彼らはこの素敵なカンパニーに囲まれて情熱を燃やしていたんだなぁ。

 

初演を生で観ていない自分にとって、再演の公演期間中にカンパニーから愛される2人の姿をリアルタイム見られたのはとても幸せな経験だった。旅一座のようなカンパニー、そのドキュメンタリーを日々SNSで演者の方々が自ら発信していってくれたことも大きいと思っている。実力のある面々が2人を信頼して、愛を持って押し上げてくれたからこそ2人だけの舞台ではなく作品としての魅力があふれていた。

 

去年の6月は、リューンのことが思い出のほとんどとして刻まれている。

 

* * *

 

5月になって初夏の陽気になったら去年の今頃のことを無性に思い出してしまって、めちゃくちゃ懐古が捗った。

わたしの中でリューン再演の存在がどれだけ大きかったことか。本人たちにとって大切な作品だったように、ファンであるわたしにとっても忘れられない記憶になっている。

今でもルトフの里が恋しくなるよ。。。。

 

 

現場行きたいなぁ……。

お気に入りの服やメイクを準備する時間も、

開演を待ちながら目薬をさして双眼鏡のピントをあわせるルーティンも、終わった後に美味しいものを食べながら同行した友人と感想を話す時間も、ささやかだけどそれ含めてみんな楽しみにしてることだよね。

あぁ、大阪へ、行きたい。

 


この後も夏松竹の少年たちや台風により中止になってしまったEXPO、アオハルツアーなど2019年だけでも色々な思い出深い出来事があった。まさか2020年がこんなことになるなんて年始には想像もできなかったけれど、有事の時も心の支えになってくれるアイドルに日々救われているなぁと感じて止まない。

 

 

また心置きなくエンタメを楽しめる日が1日も早く訪れることを願って。